なぜ2009年と違って2007年、2008年は10代、20代の人がたくさん麻疹にかかっていたのでしょうか

Q2-[2]:なぜ2009年と違って2007年、2008年は10代、20代の人がたくさん麻疹にかかっていたのでしょうか

 2001年の全国的な麻疹の流行以降、1歳早期における麻疹ワクチンの接種率が上昇したことによって、これまで麻疹流行の中心であった乳幼児における麻疹の患者発生は著しく減少し、麻疹の流行規模は縮小していきました。一方これによって麻疹ウイルスに対する感染機会が激減し、これまでであれば麻疹ワクチンを接種していない場合、早い時期に麻疹に罹患していたはずの人が罹患しなくなり、またワクチンを接種しても免疫を獲得できなかった人(5%未満程度存在します)も、以前であれば麻疹ウイルスに感染して発症していたはずが、感染しないですむという現象が起こってくるようになりました。

このように、社会全体での流行が抑えられてくると、

  • 麻疹に対して免疫を持たない人であっても麻疹に罹患しないままでいる
  • 過去に麻疹ワクチンを接種して免疫を獲得した人の中には、麻疹ウイルスに感染する機会が減ったために、自然感染による免疫増強効果(ブースター効果)を得ることがなくなり、それによって接種から年数を経るにつれて麻疹に対する免疫が減弱してしまった人が一部出てくる。 (学校における麻しん対策ガイドライン

などの現象が見られます。

 このような人が蓄積されて多数集まっているところ(学校など)に、麻疹のような感染力の強いウイルスが入り込むことによって、この世代での発症者が多くみられるようになっていったと考えられています。またこれらの人の中には、軽症者も多く(ワクチン接種によって免疫を少しでも持っている場合、典型的な症状を呈さず、修飾麻疹として発症する人等)、気づかぬ間に感染源となって周囲にひろげてしまっているという現象もあったものと思われます。

 2007年の10代の年齢層を中心とした流行を受け、2008年度からは中学1年生相当、高校3年生相当の年齢を対象とした第3期、第4期の麻疹含有ワクチン(麻疹単抗原ワクチンあるいはMRワクチン:原則としてMRワクチンを選択)の定期予防接種が始まりました。このことや、2007年、2008年の麻疹の流行によって、10代の年齢層で麻疹ウイルスに免疫を持っている者の割合が増加した(感染症情報センターホームページ、感染症流行予測調査より)ことにより、2009年は10代の麻疹患者数が大幅に減少したものと考えられます。