近年の麻疹の流行にはどのような特徴があるのでしょうか

Q2-[1]:近年の麻疹の流行にはどのような特徴があるのでしょうか

 日本は2012年に麻疹を国内から排除することを国の目標に掲げています(厚生労働省ホームページ「麻しんに関する特定感染症予防指針」)。その目標を達成するために、2008年度からは

  • 新たに5年間の経過措置として第3期、第4期の定期予防接種を実施して10代における2回目のワクチン接種の機会を設け、麻疹ウイルスに対する感受性者数を減らす、
  • 2007年までは麻疹の感染症発生動向調査は小児科定点および基幹定点からの報告に基づいていたが、それを全数把握疾患に変更し、麻疹発症者全例の確定検査の実施を目指す、
  • 麻疹が地域で1例でも発生したら、直ちに疫学調査を実施して対策を行い、感染拡大の防止に努める、
     以上の3点を対策の3本柱としています。2008年からの全数報告によると、2008年の麻疹の報告数は11,015例であったものが2009年は741例(以上暫定値)と大幅に減少(93%減)しました。2007年や2008年は、麻疹患者発生の中心が10代でしたが、2009年以降、2010年5月19日現在まで10代を中心とした流行はみられていません。
     2010年5月26日現在までに、2009年第1週~2010年第20週の約1年半の間に感染症発生動向調査に基づき保健所に報告された患者さんの数(計947例)でみると、患者さんの半数近く(400例、42%)は5歳未満です。2001年当時と比較すると、乳幼児の患者報告数は激減しているものの、特に0歳児が全体の約1割(82例、9%)、1歳児が全体の2割(201例、21%)を占めています。これらの年齢の小児は、まだ麻疹ワクチンの定期接種対象者に至っていなかったり、体調不良などで、1歳になってすぐにワクチン接種ができていなかったりする場合もあるため、家族や周りにいる人がこの年齢の小児に麻疹ウイルスを感染させないようにすることが大切です。そのためにも、定期接種の各年代(第1期:1歳児、第2期:小学校入学前1年間の幼児、第3期:中学1年生相当年齢の者、第4期:高校3年生相当年齢の者)における麻疹含有ワクチン(原則として、麻疹風疹混合ワクチン(measles-rubella; MRワクチン)の接種率を95%以上に保つことが必要です。