麻疹に関する予防接種は、どうして2回必要

Q3-[6]:麻疹に関する予防接種は、どうして2回必要なのですか?

 2回接種が必要な理由は3つあります。
(1)1回の接種で免疫がつかなかった子どもたち(数%存在すると考えられており、primary vaccine failure; PVFと呼びます)に免疫を与えること、
(2)1回の接種で免疫がついたにもかかわらず、その後の時間の経過とともにその免疫が減衰した子どもたちに再び刺激を与え、免疫を強固なものにすること、
(3)1回目に接種しそびれた子どもたちにもう一度、接種のチャンスを与えること、です。
Q3-[5] にもあるように、このような理由から2006年6月2日以降、麻疹および風疹に関して、2回接種法が導入されています。国立感染症研究所感染症情報センターでは、2回接種が必要な理由に関するポスターを作成しました。ホームページ上から、ダウンロードして使用することが可能となっています(http://idsc.nih.go.jp/vaccine/cpn01.html)。

Q3-[7]:麻疹ワクチン接種後の副反応には、どのようなものがありますか?

 麻疹ワクチンは生ワクチンですので、ワクチンの中に存在する弱毒化された麻疹ウイルスが体内で増殖する時期(接種後5~14日)を中心として、約5.4%に37.5℃以上38.5℃未満、約8.1%に38.5℃以上の発熱、約5.9%に麻疹様の発疹が見られます(厚生労働省予防接種後健康状況調査報告書)。そのほかに、接種部位の局所反応熱性けいれん(約3,000人に1人)、じんましん等も見られますが、いずれも一過性です。脳炎脳症は100~150万人接種に1人以下急性血小板減少性紫斑病は100万人接種に1人程度と言われています。ワクチン接種後の亜急性硬化性全脳炎(SSPE)はないとされています。麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)を使用する場合が多いですが、副反応の頻度については、麻疹ワクチンと概ね同じです。(Q1-[4] 参照)

Q3-[8]:ワクチンよりも自然感染の方が強い免疫を得られると聞きました。ワクチン接種によるSVFの心配もいらないし、罹った方が良いのではないですか?

 麻疹に罹患すると、臨床症状が重篤なだけでなく、Q1-[4] にあるような合併症を起こすことがあります。麻疹ワクチン接種後の副反応はQ3-[7] にあげたように、一過性のことが多く、自然感染による症状の重症化、合併症を併発するリスクの方が高い頻度で発生します。さらに、Q3-[6] にもありますように、1回接種で免疫がつかなかったPVFはワクチン接種者の5%未満と少なく、ワクチン接種後に自然感染のブースター効果を受けなかったことにより、免疫が減衰し、麻疹ウイルスに曝露されたときに修飾麻疹として発症するSVFも現在のところ、10-20%程度と推定されますので、1回の接種を受けたほとんどの方は、麻疹に対する免疫を獲得し、維持することができます。麻疹は、ワクチンで予防することが可能な疾患ですので、自然罹患で重症になったり、合併症を併発して後遺症を残したり、さらには死亡したりする方々が出ないようにすることが重要です。また、発症する少し前からウイルスを排泄することになりますので、周りにいる感受性者に感染を広げてしまう可能性があります。麻疹ワクチンを受けたくても医療上の理由から受けることができない方もいます。そのような方に麻疹をうつさないためにも、予防接種で発症を予防しておくことが極めて重要です。